(第51期有価証券報告書より抜粋)
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの主要製品はIT産業等の動向に影響を受けやすい電子部品等の表面処理品であり、主にコネクタメーカーからの受注加工となっております。また、近年コネクタメーカーの一部において、開発スピードのアップや社内稼働率の維持向上や収益の外部流出防止等を目的に、プレス加工及び表面処理加工を国内内製部門へ取り込む動きも見られます。
以上により、IT産業の業績動向や顧客の内製化動向により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは今後もマーケットの拡大が期待されるアジア地域(フィリピン・中国)に海外子会社を有しております。海外子会社は主としてドル建てで決済しておりますが、今後国内取引先の生産拠点の海外移管等により海外での取引規模が拡大し、当社グループ内に占める子会社の売上の割合が大きくなった場合、為替相場の変動が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(3)技術開発、生産設備の開発・新設について 当社グループが属する電子工業界は、世界市場の中で日進月歩絶えず進化を遂げており、製品動向や環境対応基準等を含めた情報の変化にスピーディーに対応することは、経営上重要な要素であります。
現在、営業情報等をもとに市場のニーズに応えるべく技術開発をいち早く行い、現有設備への展開や設備新設を行っておりますが、当社グループが保有する生産設備は自社での設計・製作を基本としているため、製品動向に急激な変化(形状や材質、使用原材料等)が生じた場合、研究開発、設備の設計・製作に時間を要することから生産に支障を来す可能性があり、その結果当社グループの業務運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、表面処理の工程内で「毒物及び劇物取締法」の対象となる薬品を使用しており、また工程より排出される廃液等は「水質汚濁防止法」「大気汚染防止法」「土壌汚染防止法」等の対象となる重金属イオン等が極微量含まれており、それぞれ同法の規制を受けております。
当社グループでは、各種届出及び有資格者の下での管理を徹底するとともに、法的規制値より更に厳しい社内基準値を設けて廃液等を管理し、可能な限りのリサイクル化の対応を行い法令遵守等に努めております。しかしながら、法改正等により規制が強化され、当社グループの工程内で対象となる薬品の使用が禁止又は使用制限された場合や、廃液等の廃棄物の排出基準が変わり処理設備の大幅な改造の必要が生じた場合、又自然災害等による設備の崩壊により敷地内汚染が発生した場合には、その対応に多大な費用と時間を要する可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが属する電子工業界では、「鉛フリー」や「脱塩素溶剤」等の問題を抱え、様々な対策が講じられております。当社グループにおきましては、表面処理加工法の改良をもって対処しておりますが、今後代替物や新技法等が開発された場合、設備移行に多大な費用と時間を要する可能性があります。
また、国内及び中国では「ノンシアン」による表面処理要請が強くなってきており、今後水質・大気等排出基準の強化が法的に進められた場合、その対応に多大な費用と時間を要する可能性があります。
土壌汚染対策法や、各自治体における生活環境の保全等に関する条例等(以下、総称して「土壌汚染関連法令」といいます。)によれば、土地の所有者、管理者または占有者は、六価クロム、鉛、塩素、トリクロロエチレンその他特定有害物質による土地の土壌汚染の状況について調査し、都道府県知事に報告しなければならない場合があります。
また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康にかかる被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事の命によりその被害を防止するため必要な手段をとる必要がある場合があります。
上記の制度を前提にした場合、当社の保有する横浜本社工場の敷地内の一部において、当社が業務上使用していない特定有害物質に関して、これまでに基準を上回る測定結果が断続的に確認されております。現時点において、当社において何らかの対策を行う必要はないものの、将来当社が同工場用地を売却したり、同工場施設の使用を廃止する場合等に、土壌汚染関連法令に基づく調査を実施しなければならない可能性があります。
なお当該調査において土壌汚染関連法令に定める基準値を超える汚染土壌が確認された場合は、かかる有害物質を除去するために土壌汚染関連法令に基づく汚染土壌の入れ替えや洗浄などの処理が必要となり、その対応に費用と時間を要する可能性があります。
当社グループでは、加工プロセスに係わる技術開発が多く、出願公告を行うことによりノウハウの社外流出に結びつく恐れが多分にあると考えているため、特許権・実用新案権の取得を積極的には行わない方針です。このため、他社が当社の開発した技術にかかる特許を取得した場合は、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループにおいては、他社の知的財産権等の侵害を防止するため、必要と考えられる社員への教育や関連文献の調査、弁理士等専門家への相談を行う処置を講じておりますが、かかる処置にもかかわらず、他社の知的財産権を侵害してしまった場合には、当社グループの財政状態、経営成績及び社会的信用に影響を与える可能性があります。
当社グループは貴金属表面処理事業において海外需要の高まりから、フィリピン並びに中国に生産拠点を有しております。今後、邦人メーカーの海外移管の促進等当社グループ内での海外生産高シェアも増加していくものと考えております。しかし、アジア諸国の一部では軍事クーデターが発生するなど政情不安等がもたらす影響も懸念され、また、法令や政策、規制、税制等の変更が行われた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(9)主要原材料の価格変動について当社グループの主要事業である表面処理加工並びにプレス加工において、主要原材料としてそれぞれ「シアン化金カリウム」と「銅平板材」が使用されております。シアン化金カリウムは金を68.3%含有しており、プレス原材料と同様、国際的な取引市場での市況に左右されます。当社グループでは顧客からの受注において原材料価格の上昇を販売価格に転嫁するよう努力しているものの、金並びに銅の市場価格の変動が当社グループの予想を超えた場合など単価に十分に反映できないような場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)人材の確保について 表面処理加工及びプレス加工において使用される生産設備は、自動化を進めており、その運転・管理に関するマニュアルが作成され、基礎的な教育を受けることで簡易な作業はできる状況にあります。しかし、ニッケルバリア等微細処理品の生産が増える状況下では、その加工設定などにおいて人に依存する割合が高く、その従事者は単なる作業者としてではなく、技能工として当社グループの技術と品質を支えております。従って多くの技能者が退職するような事態が生じた場合には、生産に支障を来し当社グループの業務運営に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、今後ニッケルバリアや金型製作等の受注が増加した場合は、事業の拡大を図っていくため要員の拡充を行う必要が生じます。当社グループは、定期・中途採用を継続して行い優秀な人材の確保に努めておりますが、当社グループの業容拡大に応じて十分な人材を獲得することができない場合には、当社グループの業務運営に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは国内において関東及び南東北に生産拠点を有し、また海外においてはフィリピン・中国に拠点を設け、市場動向に合致した最適地生産活動と生産拠点分散による各種事故や災害発生から被る影響を最小限に抑える対策を講じております。
当社は、東北工場(福島県郡山市・西部第二工業団地内)において、火災および汚染水河川流出事故を発生させた経緯がございます。この経験を生かし社内防火教育訓練や予防対策をはじめリスク管理体制には万全を期して対処しておりますが、今後同様の事故が発生した場合や地震等自然災害により、製造設備や処理プラントの被害状況によっては対処や復旧作業に多大な時間と費用を要する場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
当社が所有する固定資産につきましては、平成17年7月期より「固定資産の減損に係る会計基準」の適用しております。平成21年7月期においては、経営合理化策の一環として、東北第二工場(郡山市)を一時休止し、プレス事業を秦野工場へ統合したことおよび国内FFC(Flexible Flat Cable)事業からの撤退を決定したことにより、724百万円の減損損失を計上いたしました。
現時点において、他の工場においても地価の著しい下落等により減損の兆候があるとの判定をしているものの、将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を上回ることから損失の計上までには至っておりません。
しかしながら、今後、不動産価格の下落・減損兆候資産の売却や業績悪化により、減損損失計上の要件に該当する固定資産が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に大きな影響を与える可能性があります。

